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『ノーカントリー』あらすじ・感想・考察【ネタバレ解説】アカデミー賞受賞のスリラームービー!

(No Country for Old Men公式Facebookより引用)

 

こんにちは!そうちゃんです!

 

今回は前回の記事の『トゥルーグリット』の監督コーエン兄弟が2007年にアカデミー賞を受賞した作品『ノーカントリー』を紹介します!

 

『ノーカントリー』は作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞の4冠を受賞!

 

キャストは日本の缶コーヒー「BOSS」のCMでもお馴染みのトミー・リー・ジョーンズや『アベンジャーズ』のサノス役で有名なジョシュ・ブローリン、『007 スカイフォール』のハピエル・バルデム、そのほかにもウディ・ハレルソンなど、実力派俳優が出演しています。

 

アカデミー賞受賞と豪華キャストで面白いの確実じゃん!とか思っていたんですが、よく分からなかったというのが正直なところです。

 

以前書いた『ボーダーライン』同様、説明がないので、中々難しいんです。

 

ただ、何回も観なおしたので私なりの感想・考察を書いていきたいと思います!

 

【コーエン兄弟が監督を務める『トゥルーグリット』についても書いているのでそちらもぜひご覧ください!】

関連記事
映画『トゥルーグリット』あらすじ・感想・考察【ネタバレ解説】本物の勇気とは!?無料視聴できる動画配信サービスはどこ?

 

それでは見ていきましょう!

 

『ノーカントリー』作品情報

 

タイトル ノーカントリー
上映時間 122分
公開年(日本) 2007年
制作国 アメリカ
Filmarks 評価(5点満点) 3.8

 

『ノーカントリー』あらすじ ※ネタバレ無し

 

舞台は、1980年のアメリカ、テキサス。

 

殺し屋のアントン・シガーは、保安官に逮捕されるが、拘束を逃れるために保安官を無惨にも殺害。

 

パトカーで逃げるも途中で車を強奪し、その場を去っていきます。

 

一方、ベトナム帰還兵であるルウェリン・モスは、ウシ科のブロングホーン狩りをしていました。

 

深手を負ったブロングホーンを追跡すると偶然にも殺人現場に遭遇します。

 

現場には死体がたくさん転がっており、車の荷台からは大量のコカイン、少し離れた木陰には数百万ドルもの大金を発見。

 

ルウェリンはそのお金を自宅に持ち帰りますが、夜中にまた現場に戻ります。

 

すると、メキシカンマフィアと思われる連中に車で追われ、銃で撃たれるも間一髪逃げ切ることに成功。

 

しかし、現場に置いてきてしまった車から身元がバレてしまい、アントン・シガーに追われることになる。

 

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『ノーカントリー』感想

 


注目のポイント

  • 説明がないまま進んでいく
  • アントン・シガーが怖すぎる!
  • ウディ・ハレルソンのあっけなさ
  • ルウェリンは誰に殺された?
  • ラストの「夢」とは?

 

説明がないまま進んでいく

 

本作はトミー・リー・ジョーンズの語りから物語が始まりますが、さっそくアントン・シガーが保安官を殺します。

 

「もう!?」と言わんばかりのいきなり具合で引き込まれます。

 


こんなにも早く引き込まれたのは初めてでした。

 

その後、ルウェリンが殺人現場で大金を見つけて物語が進展していく訳なんですが、中盤でようやく最初に保安官を殺した人物がアントン・シガーという名前であること分かります。

 

序盤から出ている人物の名前がようやく分かったのが中盤って、結構引っ張りますよね。

 

その分ずっと引き込まれていたので良いんですけどねwww

 

ただ、ルウェリンも良く分からない人物なんですよね。

序盤の殺人現場ではかなり冷静に行動していましたし、「俺だったらこうする」と言ってそこから少し離れた木陰から大金を発見していることから、この人も保安官なのかなとか思っていたんですが結局分からず終いで殺されました。

 

アントン・シガーも含めて説明が無さすぎて、謎のまま終わったという感じ

 

私の考察としては、

ごくごく普通の人が殺人現場から大金を見つけて持ち帰ったことで、それに関わる人物に追い回されるというのをリアルに描いていたということなのでしょうか?

 

実際にルウェリンの立場なら、自分を追っている人間のことなんて分からないし、確実にヤバい現場から大金を持ち帰ったんだから絶対追われるだろとは確かに思う。

 

そう考えると本作はかなりリアリティある作品と言えますね。

 

 

アントン・シガーが怖すぎる!

(No Country for Old Men公式Facebookより引用)

 

この人ホントに怖すぎます。

 

髪型もヤバいし表情もヤバい。

 

余計なセリフがないことや表情があまり変わらないところがホントにヤバい奴を醸し出しています。

 

怖いけどあの演技はすごい!

 

あと、あの鍵を吹っ飛ばした武器何なんですかね?空気砲??

 

ショットガンのサプレッサーもデカいし、何もかもが怖かったですね。

 

とことん相手を追い詰めるさまはホントに怖かったです。

 

何回も言ってすいません。

 

 

ウディ・ハレルソンのあっけなさ

 

ウディ・ハレルソンはコメディから刑事ものやマジシャンと幅広く役をこなす実力派俳優です。

 

本作では賞金稼ぎのカーソン・ウェルズという役。

 

ルウェリンが持ち去った大金を回収するように麻薬ディーラーから命じられるもののあっさりとアントンに背後を取られ、自分の部屋で殺されます。

 

「もう終わり!?えっ!嘘でしょ!?」

 

あれで終わってしまうのはもったいないです。

 

麻薬ディーラーとの会話では「アントンなんて余裕でしょ」と楽観ぶりを見せつけておいて、あっさり殺されちゃいました。

 

ある意味「この人は凄腕の賞金稼ぎに違いない」と思わせた演技は名演技だったとは思いますが、もっと観たかったというのが本音です。

 

ルウェリンは誰に殺された?

 

ジョシュ・ブローリン演じるルウェリンは賞金稼ぎのカーソンを頼るためか、彼に連絡をしました。

 

しかし、カーソンはアントンに殺され、電話に出たのはアントンでした。

 

ルウェリンは「発信機もない今俺を探し出すのは不可能」と思っていたに違いありません。フッフッフッ!!

 

しかし、翌日ルウェリンは何者かに殺されていました。ガクっ

 

この時、ベル保安官がカーラの頼みでエルパソに向かうと、以前ルウェリンを殺人現場で襲ったと思われる車が急いでモーテルから出ていくのを発見しています。

 

実際に殺されるシーンはないので、メキシカンマフィアなのかアントンなのかが分かりません。

 

ただ、最初アントンが追っていたのはルウェリンであり、その後、賞金稼ぎのカーソンが登場しカーソンをしっかり殺しています。

 

これを観ると自分を狙う人間は確実に始末しておくという信念のようなものを感じます。

 

出なければ自信満々でカーラのもとには行かないと思います。

 

だとすると余計怖い。

 

【ジョシュ・ブローリンが出演する『ボーダーライン』の記事はこちら】

関連記事
『ボーダーライン』あらすじ・感想・考察【ネタバレ解説】麻薬戦争の真実を刮目せよ!

 

ラストの「夢」とは?

 

ラスト、ベルは奥さんによく眠れたかを聞かれ、「2つの夢を観たよ」と言っていました。

  • 1つ目は父親にお金を少しもらったけど亡くした夢。
  • 2つ目は雪の積もった山道を父親と一緒に行く夢。

 

2つ目の夢は具体的に、

 

自分を追い越してどんどん進む父親に、その先の真っ暗な寒い場所で焚き火をしてくれているといいな。

いつ着いても父親が先で待っていてくれている。

 

これはを意味しているのかなと思いました。

 

「既に亡くなっている父親があの世という暗闇の中でも明かりを灯して導いてくれる」、そんな意味なのかなと思いました。

 

アメリカタイトルでは『No Country for Old Men』直訳すると『老いた男のための国はない』ということになりますが、これはベルのことではないと考えています。

 

最後のMenは複数を意味しています。

 

また、ベルが叔父と会って話しているときに「自分を撃った相手が釈放されたら報復したか?」と叔父に質問します。

 

すると叔父は、

「いや、多分しないだろう。しても意味がない。人間ていうのは奪われたものを取り戻そうとしてさらに失う。結局は出血を止めるしかない。」

 

この意味を考えるとルウェリンアントンはまさにこれに当てはまります。

 

つまり、この国は「自分勝手な人間のための国ではないんだ」という意味なのではないでしょうか?

 

ベルが世の中のために必死に尽くしてきたからこそあの世へ行ってもお前を正しく導いてやるという息子に対する愛だったのかなと思います。

『ノーカントリー』キャスト

 

役名 キャスト 日本語声優
エド・トム・ベル保安官 トミー・リー・ジョーンズ 菅生 隆之
アントン・シガー  ハビエル・バルデム 谷 昌樹
ルウェリン・モス ジョシュ・ブローリン 谷口 節
カーソン・ウェルズ  ウディ・ハレルソン 乃村 健次
カーラ・ジーン・モス  ケリー・マクドナルド 小林 沙苗

 

監督 ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
監督作品『ファーゴ』『トゥルーグリット』

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

私には難しく感じるところもありましたが、自分になりに感じたことを書かせて頂きました。

 

コーエン兄弟の映画はすげぇー。

 

今という瞬間が着々と古くなっていく中でもう昔とは異なり、今を生きる私たちは過去の過ちを犯してはならない。

 

そんなことを本作では感じました。

 

怖いし難しい部分もありますが、まだの方はぜひ観てほしい作品です。

 

それでは以上です。

 

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