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映画『ヒルビリーエレジー 郷愁の哀歌』あらすじ・感想【ネタバレ解説】自分で進みたい道を決めな!

(Netflix公式Facebookより引用)

 

こんにちは!そうちゃんです!

 

今回はNETFLIXオリジナル作品『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』を紹介します!

 

本作は2016年6月に出版されアメリカでベストセラーとなった『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』を実写化した実話の物語。

 

出演は『マン・オブ・スティール』や『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスと『101』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で知られるグレン・クローズ

 

さらに.J.エイブラムス監督作『SUPER8/スーパーエイト』に出演したガブリエル・バッソや『イコライザー』に出演したヘイリー・ベネットなど実力派キャストが集結。

 

2021年のアカデミー賞有力候補にも挙がっている本作は社会階層や貧困のただ中にいる人々の目線でリアルに描いています。

 

逆境の中でも人生を投げ出さなかったヴァンスの姿勢やそれを支えた家族の絆に涙すること間違いなし!

 

というわけで、早速あらすじ・感想をネタバレ形式で解説していきます!

 

それでは見ていきましょう!

 

『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』作品情報

 

タイトル ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌 
上映時間 115分
公開年(日本) 2020年
制作国 アメリカ
Filmarks 評価(5点満点) 3.7

 

『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』あらすじ ※ネタバレ無し

 

名門イェール大学に通うJ.D.ヴァンス(ガブリエル・バッソ)は、理想の職に就こうと努力していた。

 

そんな矢先に母親ベヴ(エイミー・アダムス)が倒れたと連絡が入る。

 

ヴァンスの母ベヴは長年薬物依存症に苦しんでいた。

 

理想の職に就くチャンスの目前で、家族の問題によって足踏みを食らう羽目に。

 

故郷に戻るヴァンスは幼い頃に自分を育ててくれた祖母マモーウ(グレン・クローズ)との思い出に支えられながら、彼は自分の夢を実現するために、自分のルーツを受け入れなくてはならないことに気づいていく。

 

 

『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』感想 ※ネタバレ有り

 


注目のポイント

  • 母と娘
  • ヒルビリー
  • 自分の未来が家族の未来
  • お前は自分で進みたい道を決めな

 

母と祖母

 

本作は上でも紹介したように『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』が原作です。

 

そして、この原作者こそがJ.D.ヴァンスです。

 

なので、主人公はヴァンスですが、本作で最も際立ったのはエイミー・アダムスグレン・クローズと言っても過言ではありません。

 

エンドロールで本人が映りますが、ホントにそっくりです。

 

誰だか分からないくらいの役作りで「これが役者なのか」と驚きを隠せないほど凄かったです。

 

エイミー・アダムスはグレン・クローズ演じるマモーウの娘であり、ヴァンスの母親です。

 

看護師として働いていましたが、

患者の薬を自分で服用したり、抜き打ちの尿検査では薬を摂取しているのがバレてしまうため、息子であるヴァンスの尿を提出するなど、かなりの重症です

 

病院内でローラースケートで走っていたシーンは思わず笑ってしまいますが、これが麻薬の怖さなんだと改めて恐怖を実感するものでした。

 

苦しい人生の中で自分なりに努力するものの薬によってさらに苦しくなる、そんな壮絶な経験をしてきた母親を演じるエイミーは迫真の演技だったと言わざるを得ません。

 

 

また、マモーウ役のグレン・クローズはホントに凄かったです。

 

とても利発で娘想いだけど、娘は仕事をクビになり、おまけに薬をやっていてこのままでは子供が同じ道を歩むことになる。

娘が道を間違えたのは自分の責任でもあるとし、孫だけは自分で道を選べるようにしなければと力強く孫を支え、育てていく姿からその想いが伝わってきます

 

個人的にはグレン・クローズはアカデミー賞を受賞してもいいくらい素晴らしかったです!

 

 

ヒルビリー

 

ヒルビリーという言葉を初めて聞いたという方もいるのではないでしょうか?

 

ヴァンスの家族の祖先は、アイルランド島北東部から18世紀にアメリカに移住してきたスコッツ=アイリッシュです。

 

彼の家族は自らのことを、田舎者を意味する「ヒルビリー」と呼んでいます。

 

ケンタッキー州ジャクソンでは住民の3分の1が貧困状態で、離婚や薬物依存症も珍しくないそうです。

 

確かにベヴも登場したときは既にシングルマザーで劇中でも離婚や再婚という経験があります。

 

また、アメリカと言えば多くの移民を受けれた歴史があります。

 

その中でも社会調査ではアメリカで最も厭世(えんせい)的傾向にある社会集団は、ラテン系移民でも黒人たちでもなく、白人労働者階層だと言われています。

 

最近だと『ガラスの城の約束』『スリー・ビルボード』も白人の貧困層を主題に映画化されています。

 

このような中でトランプ氏が登場し「アメリカを再び偉大な国へ」と演説したことで多くの白人労働者は期待したということなのでしょうね。

 

こういう生活環境の中でもヴァンスは諦めなかったわけです。

 

みんなと同じようになってはいけない。

 

なぜなら、

自分で進みたい道を決められるように勉強してまともな友達をつくりなさいという祖母の教えがあったからです

 

ヴァンスも途中まで悪い奴らとつるんでいたので、どうなることかと思いましたが、成功を掴むことができて良かったと思います。

 

 

 

自分の未来が家族の未来

 

アメリカンドリームを夢見る人は多いと思います。

 

アメリカ人じゃないけど私だって夢見て頑張ったときもありましたから。

 

でも、ヒルビリーの文化は根強くそこから成功することは難しい。

 

ベヴやマモーウも途中で諦めてしまいました。

 

だけど、ヴァンスにはそうなってほしくなかった。

 

アメリカでは学歴を非常に重視する文化が根強いため、成功するにはしっかり勉強しなければならない。

母親の代わりに祖母が支えてくれたおかげでヴァンスは数学の代数のテストでクラス1番の成績を出したのです

 

テストで1番だったという報告にマモーウは少し渋い表情をしていましたが、内心とても喜んでいたと思います。

 

 

終盤、ベヴはどうにもならない虚しさから泣き出し、ヴァンスに「そばにいて」と手を差し出します。

 

するとヴァンスは、

「愛しているよ、元気になって幸せになってほしい、僕もできることはなんでもする、でも行かなきゃ、どうしても」と伝える

 

子供の頃にも同じような状況があり、その時は手を握りそばにいました。

 

では、なぜ今回は母のそばを離れようとしたのか?

 

それは、

自分が成功すれば、大好きな母は変わるかもしれない

 

将来、自分の子供たちが同じような経験をしないで済むかもしれない。

 

自分の助けてくれた祖母のためにも頑張らくちゃという意志があったからだと思います。

 

べヴも最初は驚いた表情を浮かべていたので「もうあの時のヴァンスではないんだ」と思ったはずです。

 

具体的にどう成功したかは劇中紹介されませんでしたが、エンドロールでもベヴは薬物摂取を6年間断っているとありました。

 

ヴァンスの成功から少しずつ家族が良い方向に向いているようでホッとしました。

 

 

お前は自分で進みたい道を決めな

 

マモーウは車の中でヴァンスにこんなことを言います。

「勉強しなくきゃチャンスさえないんだよ

努力もしないでチャンスがあると思うな。」

 

この言葉は学歴社会故に、

「良い大学に入らなければ始まらない、夢を見て何もしなければ私たちのようになる」という意味だったのだと思います。

 

その後、

「私は失敗してしまった、でも、お前は自分で進みたい道を決めな」

 

日本はアメリカほど学歴で左右される社会ではなくなってきたように感じます。

 

大学に入学することも普通になっている時代に、意外にもアメリカという大きな先進国では難しい人が大勢いるのだと本作で知りました。

 

割と何でもやりたいことができて、短期間アルバイトでもすれば欲しいモノも買えてしまう世の中。

 

ですが私自身、体調を崩して仕事ができなくなってしまうなんて、予想もしていませんでした。

 

また、コロナウィルスの蔓延で今までとは違う生き方を見つけなければと考えた方も多いのではないでしょうか?

 

私たちはこれが普通ではないこと、もっと努力すること、これは常に意識して生きていかなければならないと感じました。

『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』キャスト

 

役名 キャスト
ベヴ エイミー・アダムス
マモーウ グレン・クローズ
J.D.ヴァンス  ガブリエル・バッソ
リンジー ヘイリー・ベネット
ウシャ フリーダ・ピント
パーパウ ボー・ホプキンス

 

監督 ロン・ハワード
監督作品 『バックドラフト』『ダ・ヴィンチ・コード』『ビューティフル・マインド』

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

本作は今の状況が辛い方には余計に辛くなるかもしれない映画ですね。

 

夢を見ているだけでなはいけない、努力しなければチャンスさえない、これは心に深く突き刺さりました。

 

本作はアカデミー賞にも有力候補として早くも挙がっています。

 

まだの方はぜひチェックしてみてください。

 

特にエイミー・アダムスとグレン・クローズの演技は必見です!

 

それでは以上です。

 

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