(Invictus公式Facebookより引用)
こんにちは!そうちゃんです!
今回は映画『インビクタス/負けざる者たち』を紹介します!
南アフリカ大統領ネルソン・マンデラと、同国のラグビー代表チームの主将との固い絆、そして、新たな歴史を刻む始まりを描いた作品。
マンデラ大統領をモーガン・フリーマンが演じ、ラグビーチームの主将をマット・デイモンというベテランキャストが務めています。
そして、本作の監督が『ダーディハリー』や『グラン・トリノ』で主演を務めたクリント・イーストウッドが指揮を執っています。
本作は実話を描いた作品ですので、「大統領っていうともしかして政治?政治分かんないんだよな~」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、本作はラグビーを通して物語が進行していきますので、あまり難しく考えずに観ることができます。
というわけで、早速あらすじ・感想をネタバレ形式で解説していきます!
それでは見ていきましょう!
もくじ
『インビクタス/負けざる者たち』作品情報
タイトル | インビクタス/負けざる者たち |
上映時間 | 132分 |
公開年(日本) | 2010年 |
制作国 | アメリカ/南アフリカ |
Filmarks 評価(5点満点) | 3.8 |
『インビクタス/負けざる者たち』あらすじ
南アフリカ共和国に新しい大統領が就任する。
それは27年間の獄中生活から釈放されたネルソン・マンデラである。
就任初日に白人の官僚や職員は自分はクビだと思い、荷物をまとめていた。
しかし、マンデラは「辞めるのは自由だが新しい南アフリカを作るために協力して欲しい。あなた達の協力が必要だ」と伝え、多くの白人の心を掴みます。
そして、南アフリカ共和国にはスプリングボクスという、ラグビーのナショナルチームがあります。
黒人からはアパルトヘイトの差別的象徴として嫌われており、応援するのはいつも白人だけ、黒人は相手チームを応援していました。
自国開催のワールドカップを控えて、黒人差別的なイメージのあるスプリングボクスというチーム名やユニフォームを変更した方がよいのでは?との意見が、黒人の間で高まります。
しかし、マンデラは白人と黒人が協力して国を作るためには、白人が大切にするスプリングボクスはこのままにするべきと考え、今までのチーム名やユニフォームを全て存続させます。
選手たちもマンデラの命令で黒人の住む貧困地区へラグビーの指導に行き、徐々に黒人の間でもスプリングボクスは受け入れられていきます。
やがてスプリングボクスはワールドカップへの準備を進めていく。
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『インビクタス/負けざる者たち』感想
注目のポイント
- 人種差別
- 赦しこそ最強の武器
- シャーピブル虐殺事件
- 詩
人種差別
映画冒頭、キレイな芝生のグランドでラグビーの練習をする白人たち。
しかし、そのグランドの向かいには荒地の広場でサッカーをする黒人たち。
まず、このシーンだけで人種差別があることが分かります。
国が違うのか!?というくらいの分かれっぷりです。
当時の南アフリカでは「アパルトヘイト」という白人と黒人を差別する政策が進められていました。
具体的には、白人は教育や仕事で優遇されていました。
しかし、黒人は白人と同じ学校には通えず、仕事でも白人より低賃金で雇われていました。
今でも学校や職場ではいじめがあります。
私も経験があります。
でも、当時の南アフリカはそれを国が認めていたようなもですよね?
今では考えられないことが平気で起きていたのです。
アパルトヘイトがあったことで南アフリカのラグビー代表チーム"スプリングボクス"は黒人から応援されなかったのです。
そして、チームも試合に中々勝てないこともあり、ユニホームのデザインとチーム名を変えるべきだと主張する黒人たち。
(Invictus公式Facebookより引用)
そんな彼らにマンデラ大統領はこんなことを演説しています。
「アフリカーナーはもはや敵ではない。
彼らは我々と同じ南アフリカ人だ。
民主主義における我々のパートナーだ。
彼らにはスプリングボクスのラグビーは宝物だ。
それを取り上げれば彼らの支持は得られず、我々は恐ろしい存在だという証明になってしまう。
もっと大らかに彼らを驚かすのだ。
憐れみ深さと、奥ゆかしさと、寛大な心で。
それらは我々に対し、彼らが拒んだものばかり。
だが今は卑屈な復讐を果たすときではない。
我々の国家は築くときなのだ。」
体制が新しくなり、今までのものを全て変えれば上手くいくということではない。
白人がしたことを繰り返すのではなく、受け入れることが変化に繋がっていく。
27年もの間投獄されたときにそれを気づいたのかもしれないですね。
赦しこそ最強の武器
マンデラのボディガードであるジェイソンはマンデラの命令で白人のボディガードと一緒に任務にあたることについて理由を聞きにいきます。
これまでの白人による自分たちへの仕打ちを考えれば、一緒に仕事はできない。
しかし、マンデラは、
「赦しこそ恐れを取り除く最強の武器だ」
ジェイソンは新しい南アフリカを作りあげたいというマンデラの想いを受け止め、白人のボディガードと一緒に任務にあたります。
先ほどのスプリングボクスの諸々の変更についてマンデラが演説していましたが、
これまでの白人からの仕打ちを考えれば"赦す"ことはできない。
じゃあ今度は自分たちが白人を差別するのか?
それでは何も変わらない。
マンデラは彼らを"赦す"ことで一致団結した新しい南アフリカを作ることができると考えたのだと思います。
映画インビクタス視聴。マンデラ大統領の「許しこそ、強さ」という言葉に納得。負の連鎖を断ち切ろうとする彼に周囲も影響を受けていく。27年間収監されていたことを許すことは並大抵のことじゃない。
— ちゃげ (@chageyan) October 2, 2010
シャーピブル虐殺事件
マンデラとボディガードのジェイソンのくだりでジェイソンが白人と一緒に仕事はできないと反発したシーンは上でも解説しました。
ジェイソンが強く反発したのはこの「シャーピブル虐殺事件」があったからです。
これは1960年頃にアパルトヘイト政策に強く反対した黒人を大勢殺害した事件のことです
69名が亡くなり、180名以上が負傷という白人に対して強い憎しみを抱くきっかけとなりました。
マンデラが大統領に就任し、アパルトヘイト政策を撤廃してもジェイソンのように受け入れられないのは無理もありません。
南アフリカを変えるために彼らを"赦す"というのは黒人の方からするとどんな風に思っていたのでしょう?
多分、先ほども言ったように受け入れられないと思います。
そこで、マンデラがこの国を新しくするきっかけになると思ったのがラグビーだったということですね。
(Invictus公式Facebookより引用)
スポーツの力ってスゴイですね!
詩
マンデラ元大統領が27年間の投獄中に心の支えとした詩が『インビクタス』
これはラテン語で「負けない」や「不屈」を意味しています。
そして、この詩の作者は、イギリスの詩人ウィリアム·アーネスト·ヘンリーです。
劇中、マンデラ大統領がナレーションで読み上げていたのが、
私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私はあらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを
無惨な状況においてさえ
私はひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされ
血を流しても
決して屈服はしない
激しい怒りと涙の彼方に
恐ろしい死が浮かび上がる
だが、長きにわたる脅しを受けてなお
私は何ひとつ恐れはしない
門がいかに狭かろうと
いかなる罰に苦しめられようと
私が我が運命の支配者
私が我が魂の指揮官なのだ
マンデラ大統領が書いた訳でもないのに27年間の苦しみが伝わってくるような気がします。
最後の
私が我が運命の支配者
私が我が魂の指揮官なのだ
このフレーズはすごくグッときました。
自分の人生は誰かに左右されるものじゃない。自分の思うように生きていく。
そんな風に感じます。
私の中でもこのフレーズは大事にしていきたいと思います。
『インビクタス/負けざる者たち』キャスト
役名 | キャスト | 日本語吹替 |
ネルソン・マンデラ | モーガン・フリーマン | 坂口 芳貞 |
フランソワ・ピナール | マット・デイモン | 加瀬 康之 |
ジェイソン・シャバララ | トニー・キゴロギ | 白石 充 |
リンガ・ムーンサミ | パトリック・モフォケン | 乃村 健次 |
ヘンドリック・ボーイェンズ | マット・スターン | 長嶝 高士 |
エティエンヌ・フェイダー | ジュリアン・ルイス・ジョーンズ | 相沢 正輝 |
ブレンダ・マジブコ | アッジョア・アンドー | 塩田朋子 |
監督 | クリント・イーストウッド |
監督作品 『ジャージー・ボーイズ』『リチャード・ジョエル』 |
まとめ
いかがだったでしょうか?
人種差別についても取り上げられている作品なので、暗い映画なのかなと思われるかもしれません。
しかし、そうではありません。
これは新しい南アフリカの始まりを描いた作品です。
そして、同じ国の人間でも黒人と白人という互いの間に隔たれた壁を壊したのがラグビーだったのです。
きっかけさえあれば何かを変えることはできる。
本作ではラグビーというスポーツの持つ力によって人々の心を1つにした作品でした。
まだの方はぜひチェックしてみてください!
それでは以上です。
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