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映画『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』あらすじ・感想・考察【ネタバレ解説】静寂こそ心の平穏を得られる場所

 

 

(Cinetime公式Facebookより引用)

 

今回は映画『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』をご紹介します。

 

本作は2020年にAmazonオリジナル作品として配信されたました。

 

バンドのドラマーである主人公が突如聴力を失い、改めて"音"が聞こえるということについて考えさせられる作品です。

 

そんなドラマーを演じたのは『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』『ヴェノム』にも出演をしたリズ・アーメッド

 

ちなみにリズ・アーメッドは2021年の米アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされています。

 

主演男優賞は『マ・レイニーのブラックボトム』で主演を演じたチャドウィック・ボーズマンが有力とされていますが、本作で圧倒的な高評価を得たのは間違いありません。

 

他にも『レディ・プレイヤー1』のオリヴィア・クックやドラマ『ウォーキング・デッド』に登場したローレン・リドロフも少しだけ出演しています。

 

とにかく、本作は2020年の数ある作品の中でも文句のない傑作であることは間違いなし!

 

そんな『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』のあらすじ・感想・考察をネタバレ形式で解説します!

 

『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』作品情報

 

タイトル サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~
上映時間 130分
公開年(日本) 2020年
制作国 アメリカ
Filmarks 評価(5点満点) 4.0

 

『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』あらすじ ※ネタバレ無し

 

 

ドラマーのルーベンは恋人のルーとバンドを組み、ライブを行うためにトレーラーハウスでアメリカ各地を巡っていた。

 

しかしある日、ルーベンの耳が突如水の中にいるかのように聞こえにくくなってしまう。

 

心配になったルーベンは医師の診察を受けることにする。

 

すると、ルーベンの耳は20%程度の音しか聞こえず、どんどんと聴覚が失われていると告げられる。

 

自暴自棄になるルーベンでしたが、ルーとの話し合いの末、ろう者の支援コミュニティへの参加を決意する。

 

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『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』感想 ※ネタバレ有り

 


注目のポイント

  • 失調っていきなり来るのか
  • 今までにない演出
  • ジョーの言葉
  • タイトルの意味とは?

 

失調っていきなり来るのか

 

(Amazon Prime公式Facebookより引用)

 

本作は冒頭からびっくりするような曲から始まりました。

 

ルーベンのドラムから曲が始まり、ルーが歌い出す。

 

あーいう曲を歌いながら全米周ってるのかと思うとスゴイですよね!

 

そうして冒頭のライブが終わり、次のライブ会場へ向かう2人。

 

そして、ライブ会場で物販の準備をしているときですよ!!

 

突然、ルーベンの耳が聞こえにくくなってしまったんですよね!?

 

あの瞬間は衝撃でした。

 

自分で声を出したり、咳をしたり、色々試すもほぼ聞こえない。

 

原因は言うまでもなく、ライブでの”爆音”

 

また、ルーベンのように、

 

100%音を聞こえていた状態から30%程度の音しか聞こえなくなってしまった場合、そこで止まっている訳ではなく、そこからもどんどん悪くなっていくというのが怖い。

 

いきなりあそこまで聞こえなくなり、どんどん悪くなっていくと聞かされたら自暴自棄になるのも仕方がないですよ。

 

なんせ、生きがいを失った訳ですからね。

 

 

誰もが起こり得る!?

私たちが普段音を感じることができるのは、

 

内耳の中の「有毛細胞」の先端にある「聴毛」が音の振動をキャッチして、それを電気信号に変換して、脳に伝達しているからです。

 

ところが、この聴毛はかなり繊細で、大きな音が長時間なっていることによって、抜け落ちたり、傷ついたりすることがあるんです。

 

そうすると、音の振動をキャッチできなくなり、その結果音が聞こえなくなる訳です。

 

つまり、騒音や大きい音により難聴は生じるので、イヤホンやヘッドホンでも難聴になり得るんです!

 

私も音楽はよく聴くので他人事ではありませんが、みなさんも気をつけてくださいね。

 

今までにない演出

 

本作はこれまで感じたことのない、あるいは見たことのない演出が施されていていました。

 

失聴

まず、冒頭のルーベンの耳が聞こえなくなったときの演出には驚かされました。

 

最初に聞こえにくくなったときのボソボソと鳴る感じや人の話し声がこもって聞こえる感じがとてもリアルでした。

 

それに劇中でのこうした演出が、まるで自分の耳も聞こえなくなってしまったんじゃないかと錯覚するくらい音が無いんですよね

 

本作ではこうした疑似体験がポイントなのでしょう。

 

劇中では、ルーベンが医師から「20%程度の音しか聞こえていない」と言われていましたが、実際に体感するとあそこまで音が遮断されてしまうのかと思うと衝撃です。

 

また、ルーベンが恋人のルーと話しているときも紙に書いてもらっていたように、他人とのコミュニケーションがとても難しくなるのが怖い。

 

だからこそ、”助け合い”がいかに重要か伝わってきます。

 

 

手話

そこで、ルーベンはろう者の支援コミュニティで生活を始めますが、そこでは手話で会話をします。

 

来たばかりのルーベンには意味が分からず、みんなのコミュニケーションに参加できませんでした。

 

面白いのが、ルーベンが手話の意味を理解していないと手話の意味が字幕としても表示されないんです。

 

物語はルーベン目線で進行していくので、ルーベンが分からないことや感じ取れないことは見ている私たちにも分からないように演出しているんですね。

 

確かに普通に会話をしていて手話の意味が分からないからといって、字幕が浮かび上がる訳ないし、必ずしも誰かが訳してくれるという訳ではありませんからね。

 

耳が不自由な生活を体感することで、当たり前のようにしていたことが当たり前じゃなくなるということを観ている側に伝えようとしていることが分かります。

 

しかし、自暴自棄になっていたルーベンも自分の現状を受け止めて手話を覚えました。

 

そして、ルーベンは耳の不自由な子供たちにドラムを教え、自分の役割を全うすることで現状を乗り越えていく。

 

 

インプラント手術後に聞こえてきた音

ポール・レイシー演じるジョーは自分を受け入れて成長したルーベンにコミュニティで生活しないかと提案します。

 

しかし、ルーベンはルーがソロ活動で活躍していることを知り、2人でまた再始動しようとトレーラーハウスも含めた所持品を全て売って、それを元手にインプラント手術を行います。

 

手術は上手くいきましたが、音を聞くための装置から聞こえてきたのはノイズ混じりの機械音。

 

今まで自分の耳で当たり前のように聞いていた音と違う。

 

むしろ、初めて聞くくらいの感覚だと思う。

 

あのときの「これ!?」っていう表情がめちゃくちゃ印象に残ってます。

 

あれは悲しかっただろうなぁ…

 

その後、ルーの自宅でパーティがありルーベンも一応出席?していましたが、人が多すぎて何と言っているのかも分からない状態。

 

ここで可哀想だったのが、ルーがお父さんとデュエットしたときのことです。

 

ルーの新しい一面を目の当たりにしたのに音がちゃんと聞こえない…

 

そのときのルーベンは涙ぐんでいるように見えましたが、ちゃんと聞こえないからなのか、ルーとはもうできないと悟ったのかは分かりません。

 

でも、可哀想でしたよ、あのときのルーベンは。

 

ジョーの教え

 

「”静寂”こそ心の平穏を得られる場所だ」

 

これは手術を受けて帰ってきたルーベンにジョーが言った言葉です。

 

ライブに明け暮れていたルーベンが手術しようとする気持ちは理解できます。

 

たとえ、音楽をたしなんでいなくても、誰もが前の自分に戻りたいと思うはず。

 

でも、ルーベンの選択は予想していた展開にはなりませんでした。

 

全てを失ったルーベンはラストシーンで装置を外し、ジョーが言っていた”静寂”を自らの意思で体感します。

 

あのラストシーンは、「”静寂”こそ心の平穏を得られる場所だ」やジョーから課された課題の意味を理解できたシーンでした。

 

きっと「何かを失っても、それを受け入れていくしかない」ということをジョーはルーベンに理解してほしかったんだじゃないかなと思います。

 

タイトルの意味とは?

 

(Amazon Prime公式Facebookより引用)

 

本作のタイトル『”サウンド・オブ・メタル”』の意味はルーベンとルーがメタルバンドだったからなのかな?と思ってたんです。

 

だけど、冒頭の2人のライブを観ていて、「これメタルなのか?」と思ったんです。

 

ロックならまだしもメタルって感じではなく無いですか?

 

それに序盤すぐにルーベンの耳が聞こえなくなり、それからはバンド活動ももちろん行っていません。

 

これで音楽ジャンルの”メタル”をタイトルに持ってくるのかなぁ?

 

多分ですが、私の考察ではルーベンが装着した装置から聞こえる音のことを意味しているのかなと思います。

 

ルーベンが終盤でインプラントを埋め込む手術を行い、音が聞こえるようにするための装置を頭に装着します。

 

そこから聞こえる音は今まで自分の耳から聞こえてきた音とは違い、まるで”機械の音”のようでした。

 

つまり、機械のような”金属の音”という意味で『サウンド・オブ・メタル』だったんじゃないかなと考察します。

 

みんさんはどう思いますか?

 

『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』キャスト

 

役名 キャスト
ルーベン・ストーン リズ・アーメッド
ルー オリヴィア・クック
ジョー ポール・レイシー
ダイアン ローレン・リドロフ
リチャード・バーガー マチュー・アマルリック

 

監督 ダリウス・マーダー
監督作品 『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

全体的にスローな感じだけど、テンポもよく体験型の映画と言ってもいいと思います。

 

特にラストシーンは素晴らしかったです。

 

アカデミー賞にもノミネートされていますから、Amazon プライムに加入している方でまだという方はぜひご覧ください!

 

それでは以上です。

 

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(※本ページの情報は2021年4月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください)

 

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